2024年5月修理日記 故障したJ3からJ4にサーボアンプ交換、設定作業

J3のサーボアンプが壊れたと連絡がありました。
現場に行ってみると、サーボは既に電源が入りません。
こうなるとどうしようもないので、J4を注文してもらいました。
J3
三菱 J3
J4
三菱J4

新品のJ4来たので取り付けてみます。
しかし、初期の設定値では、モータは動きません。
壊れる前のサーボのパラメータを入れられれば良いのですが、
既に壊れているJ3からパラメータは読み取れません。

古い機械ではよくある話ですが、書類、図面(電気、機械)が残っていないとという事が良くあります。
もちろん、PLCやサーボ等の機器のプログラムやパラメータのデータのバックアップはありません。
現場の人だと、ソフトが無いので、プログラムやパラメータのバックアップなんて取れないですからね。
本当はプログラムだけでもバックアップがあれば良いのですが、担当者がバックアップを取る事は、ほぼないです。

とりあえず、近くにあった似たような機械や、同じ機械のサーボのパラメータを入れて動くか試してみましたが、動きませんでした。
サーボモータには沢山のパラメータがあり、制御方法も数種類あり、パラメータが違うと動きません。
仕方ないので、機器の状態やほかのサーボのパラメータを確認して、総当たりで試してみる事にしました。

機械についてた他のサーボモータが「位置制御モード」で動いているので、おそらくそれだと思ったのですが、やはり動きません。、
(制御モードには、トルク制御、速度制御、位置決めモード等があり、これが違うと全く動きません)
パラメータ

念のためパルスがPLCから出ているか?調べてみると、パルスが来てませんでした。
通常の操作でパルスが来てないので、今度はPLCのプログラムを解析してみました。

PLC
PLCの例:FX-3U


すると、パルスを出力するプログラムの部分で、センサーがONしないとパルスが出力されないようになってました。
どこかに本来ONしなければならないセンサーがONしてない様です。
そのセンサーがなかなか見つからず、2時間ほど探し回って、機械の裏側にセンサーを発見しました。
どうやら壊れたタイミング?で、センサーの位置がずれたようです。
センサーの位置を直すと、勢いよくモーターが回りすぎて激突しました。
今度は電子ギア比が不味かったようです。
ギア比や回転方向を調整です。
パルス数に対して、実際動いた距離を測定し、現物合わせでギア比を設定しました。
多分細かい調整はどうしようもないですが、これで一通り動くようになりました。
何とか一件落着、念のためこの機械のサーボモータや、PLC、タッチパネル等のデータをバックアップして作業終了です。
時間はかかりましたが、何とか直って良かったです。

サーボモータは壊れても何とかなりますが、PLCが壊れた場合大変な事になります。
最悪の場合、機械の破棄です。

もし工場でバックアップがきちんと出来ない機械がある方は、当社に相談くださーいw

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